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はじめに

室戸岬の先端、遍路道を登って行くと歴史を感じる石段を登ると荘厳な本堂が目の前に現れる。
ここ最御崎寺(通称「東寺」)は大同2年(西暦807年)に、 唐から帰国した 弘法大師(空海)が嵯峨天皇の勅命を受けて開いたという歴史のあるお寺で、 本尊は虚空蔵菩薩で空海一刀三礼の作と伝えられており、霊宝 殿には、国指定重要文化財の薬師如来坐像、月光菩薩立像、如意輪観音半枷 像が安置され、中でも如意輪観音半枷像は日本で唯一大理石で作られていることで有名となっています。

空海の七不思議

 最御崎寺、そして当寺院のあります室戸岬周辺では空海(弘法大師)の伝説が多く残されており。今でも語り継がれています。  
 これより現地で語り継がれている空海の七不思議をご紹介いたします。

一、くわずいも

 昔土地の者がいもを洗っていると、一人の遍路(弘法大師の事)が通りがかり、そのいもを 乞うたけれど、その者はこれを惜しんで「これは食えない芋だ」と言って遍路に与えなかった 所、それが本当に食べられなくなったと伝えられている。

(最御崎寺本堂右に自生)

二、 鐘 石

石質安山岩で叩くと鐘のように音を発し、この響きは冥土まで届くと言われ俗に鐘石を呼ばれ 現在、最御崎寺境内にあります。


「仮初のいしにてあれど且つ打てば
  金かとまがふ音の高くも」
           国沢新兵衛

三、観音窟(一夜建立の岩屋)

 昔土地の者がいもを洗っていると、一人の遍路(弘法大師の事)が通りがかり、そのいもを 乞うたけれど、その者はこれを惜しんで「これは食えない芋だ」と言って遍路に与えなかった 所、それが本当に食べられなくなったと伝えられている。

(最御崎寺本堂右に自生)

四、明星岩

 弘法大師が修行されている時、毎夜海中より毒龍が現れ、異形の者どもを集め、行法の妨げを するので、弘法大師が真言を唱え海に向かって唾を吐くと、これが海岸の石につき星の如く輝き始め、 毒龍と異形の類がその光を恐れ皆逃げ去ったと言われています。

五、行水の池

  弘法大師が修行中この池で行水をされたと言われています。この付近は奇岩怪岩に囲まれ とても素晴らしい景色を見ることができます。

六、目洗いの池

昔、弘法大師がこの地の水を加持し、衆生の眼病を治したと言われています。 

七、捻れ岩

弘法大師が修行中、女人禁制であった室戸山に男装で身を隠した母上様が訪れになった。それに気づいた仏様が火の嵐を起こし、 男装を剥ごうとした。すると弘法大師が大岩を念じて捻りその中に母上様を避難させられたと伝えられる。

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